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【認知症を知る】軽度認知症障害(MCI) 正しく理解しよう!

公開日:2021年6月17日│カテゴリ:認知症予防

青空と四つ葉のクローバー

高齢化社会の中、もはや誰もが知る「認知症」ということば。では、軽度認知症(MCI)はどうでしょう。聞いたことがないという方も多いのではないでしょうか?

軽度認知症(MCI)はいわゆる認知症予備軍。早期発見が重要な認知症では、その前段階のMCIはとても大きな意味を持ちます。そんなMCIについて正しく理解しましょう。

両手で握手

軽度認知症障害(MCI)とは

軽度認知症(MCI)は健常な状態と認知症の間のグレーゾーン。認知症の前段階だとされています。
MCIは次のように定義されます。

  1. 本人または家族から記憶障害の訴えがある
  2. 日常生活動作は正常
  3. 全般的な認知機能は正常
  4. 年齢や教育レベルの影響のみでは説明できない記憶障害が存在する
  5. 認知症ではない

認知機能が低下しているので、本人も周りの家族も「あれ? おかしいな」と感じるときがあるのですが、日常生活はさほど問題がなく送れます。そのため、症状を見逃すケースも少なくありません。

こんな症状が出たら要注意

では、具体的なMCIの症状とはどのようなものなのでしょうか。
よく見られる症状には次のようなものがあります。

  • 会う約束をしたことは覚えているが待ち合わせの時間を忘れてしまう
  • 同じ話を何度もする
  • 自分で見つけることはできるが、ものをよくなくす
  • 料理や運転のやり方が変わる
  • 好きだった趣味への興味をなくす

「食事」や「トイレ」、「入浴」や「着替え」などの動作は問題なくできます。しかし、買い物や家事など少し複雑になると支障がでる状態です。

MCIになるとどうなるの?

MCIを放置すると認知機能の低下が進みます。年間10〜30%が認知症へ進行します。
ちなみに正常な人の認知症発症率は年1〜2%。この数字をみると認知症へのMCIの影響の大きさを感じますね。

MCIへの対策は、早期であればあるほど効果的です。MCIの状態で対策を行えば、認知症の発症を抑えられる可能性も高まります。
現在の医学では完治は難しいとされる認知症。
認知症になる前のMCIの段階で発見し、対策をするのが大切です。

まわりの家族ができること

MCIの人のために家族ができることが3つあります。

  • 「あれ? 何かおかしいな」を大切に
    日常生活のふとしたときに感じる「あれ? おかしいな」は大事なサイン。
    身近な存在である家族だからこそ、感じ取れる変化があるはずです。そのサインを見逃さないようにしてください。
  • 知識を増やそう
    認知症に移行しなくとも、「認知症とは何か」や利用できるサービスについて調べておくのはとても有益です。認知症を知っているからこそ、これから先の将来をどう過ごしたいかを考えられます。知識は不安を軽減してくれるのです。
  • 相談できる人を探そう
    周りに介護を経験された方はいませんか?介護経験者は知恵の宝庫。ちょっとしたことを気軽に相談できる存在はとても心強いです。
    身近に介護経験者がいない場合は地域包括センターの利用も検討してみましょう。地域包括センターとは高齢者の暮らしを地域でサポートするための拠点です。

MCIの診断を前向きに受け入れて

MCIと診断されるのは本人にとっても、まわりの家族にとっても大きなショックとなるでしょう。
しかし、その診断をネガティブに受け取らないでください。診断されたからこそ次のような対処ができるはずです。

  • 治せるものは治し、遅らせるものは遅らすことができる
  • 認知症に対する知識を深めることができる
  • 家族や医師と今後の希望について話し合える

MCIだということは生活上に何らかのリスクがある状態です。この診断を今までのライフスタイルを変えるきっかけと考えましょう。

MCIの診断を深刻にとらえず、早い段階から認知症に対する心構えや対策できるようになった、と前向きに受け入れませんか?

もし軽度認知症障害(MCI)と診断されたら…

MCIと診断されたときに気をつけるポイントを3つご紹介します。
MCIの改善につながると言われているものです。もちろん認知症予防にもなります。
気軽にできることばかりなのでぜひライフスタイルに取り入れてくださいね。

① 適度な運動

適度な運動は、脳の血流が増加し、認知機能が改善されます。
のんびりと散歩するなど、ライフスタイルに応じた運動の習慣づけがおすすめです。

毎週金曜日はハーティネスすこやかカフェ

② 健康的な食生活

偏った食べ方でなく、いろいろな食品をとりましょう。
糖質を控え、タンパク質やビタミンなど必要な栄養素をしっかりとると脳の健康の改善が期待できます。

③ 趣味を楽しむ

楽器の演奏や、歌、料理や手芸、友人との会話などもよい脳への刺激となります。
心がわくわくするような趣味を見つけましょう!

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まとめ

軽度認知症障害(MCI)に対する気持ちは「まさか」ではなく「もしかして」です。
もはや認知症やMCIは他人事ではありません。日頃から認知症に関するアンテナをはって、情報収集をしておきましょう。

あなたやあなたの家族がこれからどんな未来を送りたいか、ゆっくり準備しておくといいですね。

ハーティネス上町カフェでは、認知症予防になる脳トレや、さまざまな勉強会、仲間と出会えるコミュニティまで幅広い出会いをご用意しています。ぜひ一度お越しください。


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