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【認知症を知る】認知症のための行政サービスにはどんなものがある?

公開日:2021年7月26日│カテゴリ:すこやか(認知症)カフェ, 認知症予防

今や、超高齢化社会の日本。高齢化が進むにつれ、認知症の方も増えています。
2025年には高齢者の5人に1人は認知症になるというデータもあり、認知症はもはや他人事ではありません。

今からでも認知症への備えを

「高齢者の5人に1人が認知症になるかもしれない」ということは、わたしたち自身やわたしたちの周りの誰かが認知症になる可能性があります。認知症は思っているよりもずっと身近な存在です。「まだまだ先のこと」と思わず、認知症になったときの準備を今から始めませんか?いざ、というときにどうすればいいのかを知っておくことは大きな安心材料となるでしょう。では、認知症のための行政サービスにはどのようなものがあるのでしょうか?

新オレンジプランを知っていますか?

新オレンジプランとは超高齢化に向けて厚生労働省が打ち出した認知症施策のこと。2012年の「オレンジプラン」を改め、2015年に「新オレンジプラン」として策定しました。

この2つの違いは「オレンジプラン」は厚生労働省が単独で策定し、「新オレンジプラン」の策定には関係機関も参加したこと。方向性に大きな違いはありません。

新オレンジプランの基本的な考え方は「認知症の人の意思が尊重され、できる限り住み慣れた地域のよい環境で、自分らしく暮らし続けることができる社会の実現を目指す」です。認知症の人を単なる「サポートをされる側」とするのではなく、地域社会の中で一緒に生きていくことを重視しています。

新オレンジプランの7つの柱

新オレンジプランは7つの柱で構成されています。それぞれの柱を見てみましょう。

  1.  認知症への理解を深めるための普及・啓発の推進

  2. 認知症の容態に応じた適時・適切な医療・介護等の提供

  3. 若年性認知症施策の強化

  4. 認知症の人の介護者への支援

  5.  認知症の人を含む高齢者にやさしい地域づくりの推進

  6. 認知症の予防法、診断法、治療法、リハビリテーションモデル、介護モデル等の研究開発及びその成果の普及の推進

  7. 認知症の人やその家族の視点の重視

認知症は当事者だけの問題ではありません。介護をする家族にも大きな負担がかかるもの。また、認知症の人が安心して生活するには、地域社会の認知症への理解が必要不可欠。理解が不足していると、地域全体での見守りや事故などの防止が難しくなります。

新オレンジプランの7つの柱をみると「介護をする家族」や「地域社会」も重視されていることがわかります。どちらも認知症の人を含む高齢者が豊かな人生を送るためには欠かせない存在です。

「認知症かな?」と思ったら

もし「認知症かな?」と思ったら、まずは日頃お世話になっている「かかりつけ医」のところへいきましょう。認知症の専門医でなくても大丈夫。日頃から健康について相談している「かかりつけ医」だからこそ、ちょっとした変化に気づいてもらえることもあります。

かかりつけ医のところでは、認知症の診断がむずかしい場合には、適切な医療機関を紹介してくれるので、安心です。

もし、かかりつけ医がいない場合は、健康なうちに、通いやすい場所でかかりつけ医をみつけておくことをおすすめします。何かあったときに心強い存在となりますよ。

介護保険は市区町村の窓口へ

認知症と診断された40歳以上の方は介護保険サービスを利用できます。介護保険サービスを受けるためにはお住まいの市区町村の窓口で申請が必要です。申請後、認定されれば、さまざまなサービスを少ない自己負担(1~2割負担)で受けられます。認定の区分により、利用できるものは異なりますが、次のようなサービスが利用可能です。

【自宅で利用できるサービス】
  • 訪問介護
    訪問介護員が自宅訪問をし、日常生活の中で不自由に感じることを支援します。
  • 訪問看護
    看護師が自宅訪問をし、健康状態の確認や維持・回復を支援します。
  • 訪問リハビリテーション
    言語聴覚士、理学療法士、作業療法士などが自宅訪問をし、身体の機能の維持・回復の支援をします。
  • 訪問入浴
    自宅での入浴が難しい方の場合、介護員が簡易浴槽を積んだ車で自宅訪問をし、入浴支援をします。
【通うサービス】
  • デイサービス(通所介護)
    入浴や食事、健康チェック、趣味活動などを通じて、日常生活を支援します。
  • デイケア(通所リハビリ)
    身体の機能の維持・回復を支援します。

ほかにも福祉器具のレンタル、ケアプランにおいて必要とされる住宅改修(リフォーム)などさまざまなサービスがあります。

介護保険を利用することは認知症の人の生活を充実させるだけでなく、介護する家族の負担も軽減するでしょう。ぜひ積極的に活用してください。

地域包括センターをうまく活用して

「地域包括センター」も認知症の人とその家族にとって強い味方となる存在です。「地域包括センター」は高齢者を支えるいわゆる「総合相談窓口」。社会福祉士や介護支援専門員(ケアマネージャー)といった介護のプロフェッショナルがいるので、さまざまな不安や悩みを親身になって聞いてくれるのです。

介護の計画書である「ケアプラン」は介護支援専門員(ケアマネージャー)が作成します。介護支援専門員と密なコミュニケーションを取れると、こまめな見直しができ、よりよい「ケアプラン」になります。

離れて暮らす親について家族が相談したい場合は、親が住む地域の地域包括支援センターに相談しましょう。早めの対策が何よりの予防になるので、ぜひ検討してください。

認知症ケアパスを確認しよう!

認知症の人への適切な対応を知りたい場合は、まず、お住まいの市区町村や地域包括センターで「認知症ケアパス」について問い合わせましょう。「認知症ケアパス」とは「認知症の人の状態に応じた適切なサービスの提供の流れ」をまとめたもの。認知症の人やその家族が「いつ」「どこで」「どのような」サービスを受けられるのか、がわかりやすく整理されています。各市区町村が地域ごとに作成しています。

まとめ

認知症を取り巻く環境は少しずつ変わってきています。ただ長く生きるのではなく、よりよく、自分らしさを失わずに生きることが重視されるようになってきました。それは介護をする人も同じこと。介護の負担を少しでも軽くし、充実したライフスタイルを送ることができれば、と思います。行政のさまざまなサポートを積極的に利用し、認知症の人も介護の人も笑顔で毎日を過ごせますように。

すこやかカフェ」でお待ちしています

脳の活性化には「人との交わり」も大きな影響を及ぼします。1日、誰とも話さなかったというのは心にも脳にもよくありません。孤独は認知機能を低下させると言われています。

人とのコミュニケーションも脳の活性化にはとても大切です。
「でも、どこへ行けばいいかわからない」と思っている方、ぜひハーティネス上町の「すこやかカフェ」へお越しください。

「すこやかカフェ」は認知症カフェ。さまざまな方と出会うきっかけと、脳の活性化に最適なアクティビティをご用意してお待ちしております。

認知症カフェやってます(ハーティネスすこやかカフェ)

「すこやかカフェ」で できること

すこやかカフェでは次のようなことができますよ。

① 新しい情報に触れることができる

講師を招いて、ヨガやストレッチなどの身体を動かす講座や、スマホ・パソコンお困りごと相談会など、生活に密着したお役立ち講座を開講し、新しい情報に触れられます。

毎月第1金曜日/パソコン・スマホお困りごと相談

② 身体を動かす機会を作れる

大阪市が推奨する「百歳体操」をみんなで一緒に行います。

毎週金曜日はハーティネスすこやかカフェ

③ 脳のトレーニングができる

脳トレはもちろん、カルタや百人一首など、一人ではできない「脳へのよい刺激となる活動」を行います。

すこやかカフェでは前日の日記を書く「昨日思い出し日記」をおすすめ中。思い出して書くというのがとてもよい脳のトレーニングになります。

前日あったことを思い出して日記を書くことで、効果の高い脳トレが簡単に続けられます

③ 日常生活では出会わないような人との出会える

「すこやかカフェ」にいらっしゃる方は本当にさまざま。みなさん、人生を前向きに楽しんでいこうとされている方ばかりなので、よい出会いになること、間違いなしです。


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